こちらのシナリオは平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震を題材にしたものではありません。
シナリオ自体は構想は2010年4月作成し、テキストデータは確認できた一番古いもので2010年9月7日作成し、最終更新日は2011年1月7日です。

シナリオ006 現の夢  


三月十二日 現実世界 某所



ったく・・・春休みだってのに何でこんな何にもないとこに来なきゃいけないんだよ……。
あーあ、全くあいつらの話に乗るんじゃなかったぜ。
何がかわいい子達とキャンプだよ……。こんなときにさ、暢気なもんだぜ。
俺を薪拾いさせるためにつれてきたんじゃねーだろうな……。

自分のことしか考えてねーんだもんなー人間って。

ジジ・・・ズズズズズ・・・・


……しっかし、なんかここ……気味が悪いな……。 それに寒くなってきたし……。
さっさと集めるもん集めて戻ろっと。


―――――――――――――少年薪拾い中……。


がさっ!




! 

な!なんだ!?動物かなんかか・・・?熊が出るには麓過ぎるし。

ははぁんもしや狐か狸とかか・・・?
猪、猿、兎・・・、ここは自然が豊かだからな・・・。
・・・かかってこいよ!晩飯の足しにしてやる・・・ぜ・・・・!?



ひと・・・喰らう・・・・ひと・・・うまそうな・・・ひ と



え?(どすっ。




ば・・・・!ばけもの!!
うわぁああああああ!(にげなきゃにげなきゃにげなきゃにげなきゃ)

うヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

追いかけてくる!だめだ!殺される!にげろっ!


だだだだだ・・・・!

ズズズズズズズズズズズズズズ・・・・


追いつかれるっ……!

だめだ……!こんなところで……!

はぁはぁ……!


(いやよくわかんないって!なんで!?何なんだよあの化け物は!
怖い怖い怖い怖い怖いっ!こんなところで死ぬのか!?俺は!?
まだ女の子とキスはおろか、手だってつないだことないんだぞ!くそっ!くそぉ……!)


なんで俺ばっかり・・・!畜生!なんでだ!なんで・・・!


うわっ!!!(どしゃっ!


ヴヴヴヴ・・・・おいついた・・・ひさしぶりの・・・ひと・・うまそう

にんげん喰らう・・・


いやだいやだ・・・!逃げなきゃ・・・!
だれか・・・!助けて・・・!

(腰が抜けて・・・足が震えて立てない・・・!畜生・・・!)


うヴヴうう・・・


ずりっずりっ・・・・!


ウウヴァアアアアアアアアアア!

(だめだ・・・!死―――――――







――――――――キィン



うわっ!!!






――――――――――ざっ!



「・・・・・・。またここにも結界の緩みが起きてるのね」





「しかしまぁこんな雑魚妖怪が・・・・・・。それと、こっちの人間は気が弱いわね」


え……?(なんだよこいつ……?赤い……巫女さん……?)


ウヴヴヴウウウウ・・・ハクレイノミコ・・・・クラウ・・・!


「ほらほら、ぼーっとしてないで。ねえ怪我とかしてない? 立てる?」

ドゴヲミテイル…!ハクレイノミコ!



後ろ!化け物が!来てるって!


ヴアアアアアアアアアアアアアアア!!! 
 
「?」                 



「大丈夫、あんたは私が―――――――――







カッ―――――――――――――――――――

























そう、あれが彼女との最初の出会い。

気がついたらあの変な怪物も、赤い女の子も居なくなっていて。


夢だったのかもしれない。

けど、たぶん。



気付いた時、友達が心配そうな、焦った顔をしてるのがなんだか可笑しかった。


そして、手に持っていたカード。

それには、こう書かれていた。




「博麗・・・霊夢・・・。」




心配する友達には、『ウサギを追いかけて走ってたら転んで、頭を打って転んだ』

とだけ言っておいた。


そして、夜。

みんなが寝静まったのを見計らって、さっきの場所に行ってみた。

確かこのあたりだったような……。あ!


すると何枚か同じようなカードが散らばっていて、俺はそのカードたちを拾い集めて戻った。


なんなんだろう……これ……。


結局その夜にも、まあ俺は寝てて気がつかなかったけど、地震があったらしく。

いよいよみんなも不安になって帰ることになった。


「それもそうだけど」


『夢の話』


カードのことを見せたし、帰りの車の中でいろいろ話してみたけど、

誰も信じてくれる人は居なかった。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ぎぃ…。

……やっぱり、夢だったのかなぁ。



……さてと、動画でも見ようかな。

ん? あ、そうだ。






ごく一部の人間を除いて。















現の時がまた一歩。

すでに異変は起こっていた。

幻想の時と交わってしまった人。

それは一人だけではなかった。

私たちも、また。

知ってしまったら忘れることは出来ない。

些細な偶然、そしてそれが重なってしまったがために。







そして物語ははじまった。

人と、幻想の住人による物語。



その主役は、現の世界に生きる、私たち。















                              現の夢 おわり
inserted by FC2 system